近年、モバイル視聴ユーザーやGenZに代表される若年層に向けたコンテンツフォーマットの開発が求められることは、議論の余地のないところだ。InstagramやTikTokなど人気のコンテンツフォーマットを有したSNSに多くのユーザーを奪われる中、メディア各社はなんとか彼らの興味を惹きつけるために、さまざまな取り組みを進めている。今回は、新しいコンテンツフォーマットに取り組む国内外のメディアにおける事例を集めてみた。 縦型が増える兆しの「ショート動画」 真っ先に思い浮かぶのは、近年注目されているショート動画だ。主に1分から10分程度のニュース映像を用いるメディアが多い。各プラットフォームに応じてフォーマットを使い分ける例もあるが、いまだにサイト内では横型の動画が一般的だ。それらは1つの記事のようにリスティングされ、TikTokのように連続して動画を見る体験は得られない。クリックして視聴し、戻って動画を探す体験は、今や誰も望んでいないだろう。 ここでは、「自社のメディアサイト内」で、「縦型」ショート動画を組み入れているメディアを紹介しよう。 古くからショート動画に取り組む伝統的メディア「ワシントンポスト」 説明不要の著名ニュースメディア「The Washington Post」は、古くから縦型ショート動画を取り入れている。トップページ(アプリも同様)に縦型ショート動画のセクションを設けており、スワイプして連続で視聴できる、優れた体験を提供している。(参考:月間1億3,000万Visit / SimilarWeb) ニュージーランドの「Stuff」はストーリー型のショート動画 ニュージーランドで国内6位のトラフィックを誇る「Stuff」でも、ショート動画を見ることができる。The Washington Postと異なるのは、恐らくこれが「Web Stories」のフォーマットを用いていることだ。Web Storiesであれば動画自体が正しく1つのウェブページとしてインデックスされ、検索やGoogle Discoverからの直接の流入を獲得している可能性がある。 スタート直後から好調な「CNN」 どうやら「CNN」も、2023年末にショート動画の導入をスタートしたらしい。Varietyによると、「動画の視聴完了率が36%増加」「1人あたりの動画開始数が32%増加」「1人あた