新卒採用でSNSを活用する企業が今、増えています。特にInstagramを中心に、TikTokやYouTubeの採用活動における活用が注目されています。しかしまだ多くの人事採用担当者からは「何から始めればいいかわからない」という声も多く聞きます。この記事では2027年新卒採用に向けて、採用SNSアカウントの活用方法を最新データをもとに解説します。
中途採用でのSNS活用についてはこちらの記事をご覧ください。
目次
Toggleこの記事でわかること
- 新卒採用SNSで注目されている媒体とその選び方
- ターゲットによって変わる媒体の考え方
- 新卒採用SNSのデメリット・注意点
- 新卒採用SNSのメリット
- SNS採用アカウント運用とSNS採用広告の違い
- 投稿コンテンツのポイント
- アカウント立ち上げの進め方(自走・外部活用それぞれの選択肢)
- 投稿前チェックリスト(5点)
新卒採用SNSで注目されている媒体
新卒採用でどのSNSを使うべきか、という相談は多く寄せられます。ターゲットとする採用層によって最適な媒体は変わりますが、現状のデータを見ると、新卒採用においてInstagramが特に注目されていることがわかります。
就活生の67.3%がInstagramで社名検索している
就活生の67.3%が気になる企業の社名をInstagramで検索した経験があります(出典:株式会社リソースクリエイション「SNS就活についての実態調査」2025年・26卒対象 URL:https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=2236)。
公式サイトや求人票を見る前に、まずInstagramで「どんな会社なのか」を確かめる行動が定着しています。
SNSを見て入社意欲が増した就活生は86.1%
企業SNSを見て入社意欲が高まった経験がある学生は86.1%です(出典:株式会社リソースクリエイション「SNS就活についての実態調査」2025年・26卒対象)。SNSはもはや「発信しているだけ」のツールではなく、応募するかどうかの判断材料そのものになっています。
学生が企業をフォローするSNSはInstagramが1位
企業アカウントをフォローしている学生(54.7%)にどのSNSでフォローしているかを尋ねた調査では、Instagramが21.9%で全SNS中1位でした(出典:株式会社テスティー「学生のSNS利用に関する調査【2025年版】」URL:https://lab.testee.co/sns_student2025/、調査期間:2025年10月23日〜11月7日、対象:12〜24歳の学生1,467名)。
LINEやXを上回り、企業アカウントとして最もフォローされやすいのがInstagramという結果が出ています。
企業認知を目的としたSNS活用率は2025年卒で26.3%にとどまります(出典:株式会社マイナビ「2025年卒企業新卒採用活動調査」)。まだ多くの企業が本格活用していない今は、早めに動き出した企業が先行できる状況です。
ターゲットによって変わる媒体の考え方
採用SNSの相談でよく聞かれるのが「どの媒体から始めるべきか」という点です。答えはターゲットとする採用層によって変わります。ターゲットに合わせた媒体選定が、採用SNSを効果的に機能させる第一歩です。
私たちは、ターゲットに合った媒体をおすすめしています。現状のデータを踏まえると、大卒の新卒採用を狙うのであれば、まずInstagramをおすすめします。その上で、採用対象の幅に応じて他の媒体を組み合わせていく形が現実的な進め方です。
| SNS | 月間ユーザー | 企業フォロー率※ | 検討の目安 | 制作負荷 |
|---|---|---|---|---|
| 6,600万人以上 | 21.9%(1位) | 新卒採用の基本軸として | 中 | |
| TikTok | 2,500万人以上 | 調査対象外 | 高校生・専門学校生も対象なら視野に | 中(Instagramと素材共用可) |
| YouTube | 7,120万人以上 | 調査対象外 | 通年採用・第二新卒も含むなら検討の余地あり | 高 |
| LINE | 9,700万人以上 | 上位 | 選考リマインド・直接連絡に | 低 |
| X(旧Twitter) | 6,700万人以上 | 上位 | 拡散力・選考情報のリアルタイム発信に | 低〜中 |
※企業アカウントをフォローしている学生のうち、各SNSでフォローしている割合(出典:株式会社テスティー「学生のSNS利用に関する調査【2025年版】」)
複数のSNSを同時に始めると運用の負荷が高くなります。まずは1媒体から始め、自社のターゲットに応じて広げていくのが現実的です。なお、ショート動画であれば、Instagram・TikTok・YouTubeなど素材を共用することもできるため、コンテンツを共通化しながら複数媒体を運用するという方法もあります。どの媒体をどう組み合わせるか迷う場合は、ぜひご相談ください。
新卒採用SNSのデメリット・注意点
メリットに目が向きがちですが、始める前にデメリットと注意点もしっかり把握しておくことが大切です。
① 短期間では成果が見えにくい
SNS採用は中長期の施策です。アカウントを開設してすぐに応募が来ることは期待しにくく、一般的には成果が見え始めるまで半年〜1年程度かかります。「3ヶ月で結果が出なかったのでやめた」という事例は多く、最初からKPIと評価基準を明確にしておくことが重要です。ただし、成果の見え方についてはこの後のメリットの項で補足します。
② 継続的な工数がかかる
SNSは更新を止めると存在感が薄れます。コンテンツの企画・撮影・編集・投稿・分析を継続するための工数は、採用業務と兼任している担当者にとって決して軽くありません。「続けられる本数と頻度」を最初から現実的に設計することが長続きのカギです。社内リソースの確保が難しい場合の対処法については、後述のアカウント立ち上げの進め方もご参照ください。
③ 炎上・情報漏洩リスクがある
社員が出演する動画は事前の同意取得が必須です。投稿前のチェック体制も必要になります。万が一のケースに備えた対応フローをあらかじめ決めておきましょう。基本的な確認事項は後述の投稿前チェックリストも参考にしてください。
④ フォロワー数と採用成果は比例しない
フォロワーが多くても、採用ターゲット層でなければ応募にはつながりません。KPIはフォロワー数ではなく「プロフィールアクセス数」「採用サイトへの流入数」「応募数の変化」に置くことが重要です。
新卒採用SNSのメリット
① 求人広告を補完する「調査ツール」として機能する
SNS採用は、必ずしも「SNSから直接応募が来る」だけが成果ではありません。求人広告を見て興味を持った学生が、応募を決める前にInstagramで会社を調べる、というルートは非常に多く見られます。つまりSNSは採用の入口というより、学生が応募を決断するまでの補完的な役割を担っています。
一見、SNS経由の成果が見えにくいのはこのためです。「最後の一押し」として機能しているため、SNSがなければ離脱していたかもしれない層を拾う効果があります。
② 潜在層にもアプローチできる
求人サイトは「今すぐ応募したい」顕在層が中心ですが、SNSは日常的に使うプラットフォームです。「まだ就活を意識していない」学生にも届き、早い段階から企業を認知させることができます。
③ 職場のリアルを伝えられる
求人票では伝えきれない社員の人柄・職場の雰囲気・仕事のやりがいを、写真や動画を通じて伝えることができます。Z世代が求めているのは「リアル」であり、作り込まれたPR映像よりも日常の様子の方が響きます。
④ コンテンツが資産として積み上がる
求人広告は掲載期間が終わると効果もゼロになりますが、SNSに投稿したコンテンツは削除しない限り見られ続けます。続けるほど採用力が高まる、長期的な「採用資産」になっていきます。
⑤ 採用ミスマッチを減らせる
社内のリアルな雰囲気や働き方を発信することによって、企業と求職者の相互理解が深まります。入社前にSNSで職場の様子を確認した上で応募した学生は、入社後の「思っていた会社と違う」というギャップが生まれにくい傾向があります。早期離職の抑制にもつながります。
SNS採用アカウント運用 vs SNS採用広告:何が違うか
「採用SNS」という言葉には、性質の異なる2つの手法が含まれています。混同したまま進めると期待値のズレが生じやすいため、最初に整理しておきましょう。
| SNS採用アカウント運用 | SNS採用広告 | |
|---|---|---|
| 内容 | 自社アカウントを開設し継続投稿 | Instagram広告・TikTok広告等で求人情報を配信 |
| 費用 | 基本無料(制作費・人件費は発生) | クリック・表示ごとに課金 |
| 効果の持続 | 投稿が資産として残り続ける | 広告停止とともにゼロになる |
| 成果のタイミング | 中長期(半年〜1年以上) | 短期(配信後すぐにリーチ可能) |
| 向いている用途 | ブランディング・認知の積み上げ | 採用繁忙期の即効性補完 |
この記事が主に扱うのは「SNS採用アカウント運用」です。多くの企業は、アカウント運用で中長期的な認知を積み上げながら、採用繁忙期に広告で即効性を補うという組み合わせで活用しています。
投稿コンテンツのポイント
コンテンツの詳細については別途事例記事で解説しますが、まず押さえておきたいポイントをご紹介します。
Z世代が求めているのは「リアル」です。作り込まれた映像よりも、実際の職場や社員の様子が伝わるコンテンツの方が反応を得やすい傾向があります。特に反応が取れやすいのは以下のような内容です。
- 社員の1日密着・職場の日常
- 入社理由・仕事のやりがいを語るインタビュー
- 選考フローや面接のリアルな解説
- 福利厚生・制度の具体的な数字
一方で、本業と関係のない企画コンテンツや過剰に演出されたPR映像は、学生に「取り繕っている」と受け取られやすく、逆効果になることもあります。
具体的な投稿事例についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
コンテンツの企画や制作に迷う場合は、SNS運用代行会社に相談するのも一つの選択肢です。どんなコンテンツが自社のターゲット層に届くかは業種や採用ターゲットによって異なります。アカウント立ち上げの段階でプロに相談しておくことで、最初から方向性のブレない発信ができるようになります。
アカウント立ち上げの進め方
立ち上げ方には、自社で進める方法と、外部のサポートを取り入れる方法があります。どちらが向いているかは、社内のリソースやスキル、スケジュールによって変わります。
自走で進める場合の6ステップ
STEP 0:競合・参考アカウントを調べる 同業種・同規模で採用ターゲットが近い企業のInstagramを5〜10社ほど確認します。どんなコンテンツが反応を集めているかを把握することで、自社の方向性が見えてきます。
STEP 1:自社の素材を棚卸しする 顔出しOKの社員数・撮影できる場所・伝えたいストーリーを整理し、「月に何本なら続けられるか」を逆算します。
STEP 2:担当者と役割分担を決める 企画・撮影・編集・投稿・承認を誰が担当するかを明確にします。続けられる本数と頻度を最初から現実的に設定することが長続きのカギです。また、社員への出演依頼や撮影協力の取り付けは、思いのほか社内調整に時間がかかることがあります。採用SNSの目的と意義を社内で共有し、協力者を早めに確保しておくことをおすすめします。
STEP 3:アカウントを設計して開設する アカウント名・プロフィール文・採用ページへの導線を固めてから開設します。
STEP 4:コンテンツ計画を立てる インターンシップ解禁・本選考開始など採用側のスケジュールを参考に、3ヶ月分の投稿テーマを先に決めておきましょう。時期に合わせたコンテンツを計画的に発信することで、学生の就活タイミングに合った情報を届けることができます。
STEP 5:投稿・分析・改善サイクルを回す 月1回インサイトデータを確認し、反応の良かったコンテンツを増やしていきます。
投稿前チェックリスト(5点)
- □ 社員の出演・掲載に本人の同意を取得した
- □ 映り込んだ書類・画面・社名に問題はないか確認した
- □ 投稿前に担当者以外の1人が確認した
- □ 不特定多数が見ることを想定した表現になっているか
- □ コメント・問い合わせへの対応担当者を決めてある
SNS運用代行会社への依頼を検討する場合
自社にリソースやスキルがない場合、SNS運用代行会社への依頼を検討することもあります。依頼の形には大きく2つあります。
丸ごと依頼する場合:アカウント設計から投稿・分析まで全てを任せる形です。担当者の工数を最小化できる一方、多くの場合年間契約が必要になります。
立ち上げだけ依頼して後は内製化する場合:アカウント設計や初期コンテンツ制作の部分だけを外部に依頼し、型ができた後は社内で運用していく進め方です。コストを抑えながらノウハウを自社に蓄積できます。「立ち上げ初期」はわからないことが多く、なかなか進まないというご相談もよくいただきます。そんな時にスピード感を持って立ち上げられるよう、弊社では立ち上げに特化したサポートサービスも提供しています。
どちらの依頼形態が自社に合うかは、予算・社内リソース・担当者のスキルによって変わります。
SNS運用代行会社に依頼できること
一般的に以下のような業務を依頼できます。
- アカウントの設計・開設
- 投稿コンテンツの企画・制作・投稿
- ハッシュタグ・投稿時間などの最適化
- インサイトデータの分析・レポート
- コメント・DM対応
会社によって対応範囲は大きく異なります。依頼前に「何をどこまでやってもらいたいか」を自社のリソースと照らし合わせながら整理しておくことが重要です。
契約・費用について知っておきたいこと
多くのSNS運用代行会社は月額制・年間契約が基本です。月額数万円〜数十万円と幅がありますが、パッケージとして多いのは月15〜30万円というケースです。制作物の量・クオリティ・対応範囲によって費用は大きく変わります。
また、「安い」と思ったらコンテンツの企画・撮影は自社で行い、運用代行会社は簡単な編集と投稿のみ、というケースもあります。どこまでを自社でまかない、どこからを依頼したいのかを事前に整理しておくと、自社に合った運用代行会社を見つけやすくなります。
SNSは積み上げで成果が出るのに時間がかかるという性質もあり、最低契約期間が6ヶ月〜1年に設定されているケースが多く、途中解約には違約金が発生する場合もあります。契約前に解約条件を必ず確認してください。
「成果保証」や「バズ動画制作」にも落とし穴
成果保証やバズ動画制作をうたう会社には注意が必要です。フォロワー1万人保証のような成果保証は一見お得に見えますが、採用ターゲット以外のフォロワーがいくら増えても、応募には繋がりません。バズを狙ったコンテンツが自社のブランドや採用ターゲットと合っているとは限りません。目先の数字や話題性より、自社の目的やニーズに合っているかどうかを基準に判断することが大切です。
「半年後に未達なら返金」という条件の場合、お金は戻ってきても費やした時間は戻りません。採用活動における半年のタイムロスは、事業運営に直接影響します。
また、運用を丸投げしすぎると、自社にノウハウが全く残らないという問題も起きやすくなります。担当者が定期的に内容を確認・関与し、発信の方向性を自社でも把握しておくことが、長期的に見て重要です。
自社の目的に合った会社を選ぶために
SNSの必勝パターンでバズばかりを狙ったり、採用ターゲットに合わないフォロワーをいたずらに増やすような提案をしてくる会社は、御社の採用課題に向き合っているとは言えません。自社の目的やニーズに合っているか、御社の課題に親身になって向き合ってくれる会社かどうかを、選定の際の基準にしてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 2027年卒採用に今から始めて間に合いますか? A. インターンシップ解禁(6月)・本選考開始(3月)から逆算すると、今からでも十分間に合います。外部サポートを活用すれば、アカウント設計から初期コンテンツ制作まで60日ほどで形にすることも可能です。
Q. Instagramだけで十分ですか? A. 大卒の新卒採用がメインであれば、まずInstagramを軸に据えるのが現実的です。高校生・専門学校生も対象に含む場合はTikTok、通年採用・第二新卒も含む場合はYouTubeが選択肢に入ってきます。どの組み合わせが自社に合うか迷う場合は、専門家に相談してみることも一つの方法です。
Q. 自社で運用するか、外部に依頼するか、どう判断すればいいですか? A. 社内に動画制作の経験者がいる、もしくは継続的に時間を確保できるようであれば、自走が向いています。立ち上げ初期のノウハウがなく、まずは型を早く作りたいという場合は、立ち上げ部分だけ外部サポートを受け、軌道に乗ったら内製化していく進め方が現実的です。
Q. 社内に動画制作のスキルがなくても始められますか? A. 始められます。スマートフォンで撮影した自然な映像の方が、プロが制作した映像より反応が良いケースも珍しくありません。基本的な編集はCapCutやiMovieなどの無料アプリで十分対応できます。
Q. 更新頻度はどのくらい必要ですか? A. 週2〜3本が一つの目安です。ただし頻度よりも継続性の方が大切です。無理なく続けられる本数から始めることをおすすめします。
まとめ
- 就活生の67.3%がInstagramで企業名を検索し、86.1%がSNSを見て入社意欲を高めています
- 採用SNSは「直接応募を生む」だけでなく、求人広告を見た学生の応募決断を後押しする補完的役割があります
- まずは1媒体から始め、ターゲットに応じてTikTok・YouTubeを組み合わせていくのが現実的です
- SNS採用アカウント運用と採用広告は性質が異なり、組み合わせて使うのが効果的です
- 継続できる体制作りが最大のポイントです
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主な参考・出典
- 株式会社リソースクリエイション「SNS就活についての実態調査」 URL:https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=2236
- 株式会社テスティー「学生のSNS利用に関する調査【2025年版】」 URL:https://lab.testee.co/sns_student2025/
- 株式会社マイナビ「2025年卒企業新卒採用活動調査」



